「練習に報いる」ということ・・・

 今日は3,4年生の実力試しをテーマに臨んでいるさわやかカップの初戦でした。相手は昨年の準優勝チームである山田バッファローズさん。NEXUSでは、相手によって自分達で勝ち負けを決めつけないようにそういう事前情報は基本的に子供達に入れず、いつも勝つつもりで試合に臨んでもらいます。そんなこともあって試合に大分慣れている4年生はリラックスムード、、、なのですが、一緒にベンチに座っている3年生は硬い表情・・・当たり前です、つい最近までTボールでトスベースボールを基本に練習に取り組んできた子供達でして、こういった対外試合自体が始めてなのです。通常試合に出ている子供の欠席もあり、中にはいきなり先発出場する子もいます。正直メンバー選定の段階で、不慣れな3年生を入れることについては、試合ができるレベルなのか?ケガをしてしまわないか?指導者間でも議論がありました。それでも普段からTボールで一生懸命練習し、練習外の時間でも軟式球でも練習を続けている3年生もいるということで、できるだけ3,4年生のメンバー構成として、より多く経験と晴れ舞台を経験させて試合をしながら子供達の成長を促していくこととしました。ちょっと初戦にしてはレベルの高い相手となってしまい、これまで打たれたことのあまりないピッチャーが外野を超える打球を飛ばされてしまったり、頑張って守備練習した内野陣も速い打球を後ろに逸らしてしまったり、打席ではあれだけいつもボールを遠くに飛ばしている子供でも中々ボールに手が出ず・・と練習の成果が見えにくい厳しい結果となりました。それでも子供達が元気を出して一生懸命みんなプレーしてくれました。これも一つの経験、多くの試合の1試合目なのです、今日の反省点を活かし、強いチームがどういうプレーをするのかを勉強してもらえればそれでよいのだと思います。

 

 印象的な出来事がいくつかありました・・・リエントリーが可能なPCGと異なり、さわやかカップ通常のルールに近い形ですので、ある程度実力のある子を中心にメンバーを組みます。4年生は全員出場が基本ですが、3年生はごく一部の子供が出れて、むしろ他の子供はボールボーイや応援など手伝いをしながら来年フル出場するための予習的な位置づけで試合に参加してもらっています。そもそも3年生は、これまで遊びに近い野球をやってきたわけで、試合に出るための経験や技術だけでなくルールや知識が足りず、ここがスタートラインであり、1年以上頑張ってきた4年生の中で同等のプレーをするには差がありすぎるというのが実際です。練習や試合出場機会を平等に設定することが基本方針ですが、この大会はそういう意味である程度練習をしてきた子、努力している子に出場機会、活躍機会が多い設定にし、またそういう子供が勝利をつかむ喜びを感じて一層野球に夢中になってもらうことを目的としています(そのあたりは親御さんにも説明して一定の理解を得ています・・・)。今日の試合がはじまると、試合が初経験のため、自分はいつ出られるのかと盛んに聞いてくる子供がいます。残念ながら経験だけでなく、練習を見ていてもまだまだ低学年生の域を脱せず十分な練習も詰めていませんしルールも理解できていないというコーチの見立てですので、「今は試合を手伝いながら野球を勉強してほしい。今日の試合出場は正直難しいと思うよ」と素直に答えてみます。するとプイっとベンチの外に出て土いじり・・・私たちは子供を区別するつもりはありませんし、好き嫌いで采配もふるいません。一方で頑張っている子供とそう見えない子供を試合で一緒に扱うことはとても難しいことなのです。同じ練習機会や勉強する機会を与えている中で頑張っている子を中心に出場する試合を設定し、試合というフィールドに出れる、出れないという結果でその努力に報いてあげる機会をつくっているのです。詳細は書きませんが、まだ試合に出せない理由を一生懸命説明してみましたが、なかなか納得させることができず、そのあたりはコーチとして歯がゆい部分もあります。今の上級生も同じようなことがありましたが、それを徐々に理解し、自分の出番のために一生懸命練習しています。幸い練習試合として実施した2試合目には守備や打席につくことができました。試合に出る緊張、プレーする喜びをどう感じたでしょうか?その子もこのチームの中でそうやって成長していけるよう長い目で共に活動していきたいと思います。


 もう一つは、同じく2試合目に投げさせてくれと言ってきた4年生。上述の3年生と同じように最初は集中力も無い子供でしたが、試合を重ねるうちに練習にも一生懸命取り組み、投手として出場することを目標に日々頑張っています。(努力アピールもすごいです(笑))残念ながら練習時のテストで14mが届かず、「もう少し練習して届くことを確認できたら試合に出ようね」と説明していたのですが、「あれから練習して、届くようになったから見てくれ」というのです。その目は真剣そのもの・・・「よし、じゃあ投球練習してみよう」ということでやってみると、見事に全身を使って14mを投げ込んでくれました。というわけで即興のテスト合格として試合に初登板。試合での結果はともかくマウンドに立てた喜び、「スゲー緊張した!」というその感想。努力と結果、そしてそこから生まれる次の目標。これが一番大事なことなのです。私たちはできるだけ子供の成長の芽を摘み取らず、かつ野球というスポーツに真摯に取り組んでいきたいのです。そういう成長を子供達がたくさんしてくれることを願ってやみません。

 

 今日はスコア以上に子供達それぞれに多くの経験値をもたらしてくれる良い機会だったと思います。さわやかカップ後の練習試合にもお付き合いいただいた山田バッファローズさんありがとうございました。もう一度今度は5年生の試合で当たるようですので、4年生が大敗した相手に、5年生がどのような戦いを見せてくれるか楽しみです。

 

 今日は3,4年生は試合、5,6年生はOFFでしたが、1,2年生は3年生の抜けた低学年チームとして外野の後方で練習をしてくれました。新しいお父さんたちが子供達と楽しそうに野球を教えていてくれる姿はとても微笑ましいです。最後までノックをワイワイ受けている無邪気な子供達、3年生になるまでは今日のような難しい環境は忘れて伸び伸びとボールを追いかけてほしいなぁと改めて最後に思いました。


 最後に今日は母の日。ヘルメットには監督の計らいで可愛いハートマークが着いていました。毎日温かい目で見守ってくれているお母さんに選手みんなで感謝のお礼をしてました。きっとお母さん達は子供達が一生懸命頑張ってくれるのを楽しみに見に来てくれているはずです。お母さんを笑顔にさせられるようにこれからもみんなで頑張って行こう!

0コメント

  • 1000 / 1000