常勝ではなく、常笑チームを目指そう

 今日は昨日の雨も晴れて夏の陽気。昨日は5,6年生の試合を予定していましたが残念ながら中止だったので、体を動かしたい5,6年生も自由参加で練習に参加してくれました。体験参加の1年生2名加わってくれて活気のある練習となりました。


 実は昨日、雨で予定した試合が中止だったということもあり、運営担当でちょっとした打合せを持ちました。NEXUSも4年が経ち、時間をかけて育てた子供たちが最上級学年として様々な試合を重ねている中でこの活動の一つの結果が出つつあります。その結果は良いものも改善が必要なものも・・・。改めて創部から目指してきたこと、今の立ち位置、そして現在の主旨の活動の中で私たちが子供たちとともに歩むべき姿とは何か・・・そんなことをファミレスでコーヒー片手に数時間(いやぁ、チームのお話は個々の子供のことも含めて話したら何時間も話し続けられる(笑)、それだけ子供たちや親御さんと様々な時を重ねてきたということなのでしょうね。改めて様々な形態の学童野球チームを見ていく中で見つめなおしたことは、NEXUSは様々なレベルの子供たちを分け隔てなく集めて、その中の適切な実力のフィールドでチームとして野球を楽しんでもらうことを主とした活動であるということです。もちろん技術レベルが高い子供たちが揃えば全国を目指すこともあるでしょうし、外と試合するレベルすらないということであれば、チーム内の紅白戦で互いが良いプレーで楽しめれば良いのではないかということなのです。そこは、私たちが子供の立ち位置を伝えたうえでどこを目指すのかをそれぞれの学年の子供たちに決めさせれば良いこと。100対0でも、上を目指して試合をしたいのであれば、恥ずかしがることなくそういうフィールドに立たせることもできますし、他のチームでも主力を張れるような子がたくさんいても、チーム内で切磋琢磨すれば良いということであれば、練習主体に活動を積み重ねればよいことなのです。私たちや保護者の意見を優先する必要もなく子供がやってみたいフィールドで野球を楽しんでもらう場所を用意するのがNEXUS、それこそPlayers First のチームということなのだと思います。


 もう一つは、私たちは「野球チーム」であるということです。個々が成長すればよいという野球塾とは違います。すなわち子供たちはチームとして活動し、チームとして勝利を目指すということです。これまで子供たちが自由に楽しめるチームを作ることに執着して活動してきました。結果としてそれぞれの子の個性や自由を尊重し、必要以上にチーム活動への貢献を強要することはありませんでした。そこには子供によってチームに対する想いの温度差が発生していて、今の上級生の子供たちを見ていると、それぞれの子供たちがチームにどうやって貢献しようとしているか、チームをどうやって勇気づけようとしているのかが正直見えない場面も見られます。その原因は声が出ないこと、、、子供たち感想を聞けば楽しいと言って野球をしていますが、実際野球をしている姿を見て、私たちには楽しそうに見えない、元気に見えない子供が特に上級生になっていくほど多い傾向にあります。その根本は試合では緊張のあまり声も出ないし体も動かない、結果的には元気もなく、試合でも覇気なく負けてしまうというケースなのです。4年を振り返ると上級生の子供たちに「声を出して」と伝えることはあっても、声が出ない子はそういうものだと放任してきたところがありました。でも、ほかのチームや野球以外の活動をしている子供たちを見ていても、ほとんどのチームが元気よく声が出ているわけです(特にいわゆる指導者の声が大きいチームほど・・)。そうはいっても、普段声が出ない子に、急に試合で声を出せって言われたって、それは緊張と試合に対する集中の中では無理な話なのです。そこでやはりチーム活動するNEXUSの子供達には、低学年の子供たちも含め、あいさつや個々のプレーに対して、どんな子にも声をしっかり(大小は個々の問題なので問いません)出すことを求めることにしました。少し体育会的な要素を含むので自由で楽しい象徴とは少し様子が異なりますが、最初に書いた通り、私たちは子供達に一人づつの集合体ではなく、9人の集合体として活動するために集まっているわけです。そこの声出しのコミュニケーションも求める指導は、少し義務的に求めてよいのではないか?という結論になりました。これはNEXUSとして新たな一歩としての取り組みになります。


 そんなこともあり、今日は朝子供たちが集まったところで、監督コーチから子供たちに声を出す重要性と目的、そして、これから子供たちに求めていくこととして「挨拶をする」「返事をする」「守備など自分がボールを受けるときに声を出す」ということを伝えました。子供達も挨拶や返事などは学校などでも求められているわけで、コーチが名前を呼んでみるとみんな「はい!」と良い返事ができるではありませんか・・・その後もノックや終わりの挨拶でも、自然と湧き出てくるわけでありませんが、求めればその子なりにしっかり声を出すことができていました。練習が終わってからコーチ同士で感想を話したときに、やっぱり僕たちは子供たちができないと思って求めていなかっただけで、きちんと求めれば返ってくるものなんだね、、、と4年経って初めて分かった次第でした。練習にかかわっていた親御さんからも「なんか活気があってよい感じですよね」と、自分だけが感じていたのではないなぁという感想もいただきまいた。この取り組みは、この後も口酸っぱくやっていくつもりで、少なくとも低学年の子供たちは大きくなったら声を出すことを意識しなくても自然とできるようになるとを期待しています。まずは来週、朝の挨拶ができるかな?楽しみにしています。


 前置きが長くなりましたが、そんな様々な反省と振り返りを経て、今日はいつもとちょっと雰囲気の違う練習がたくさんありました。キャッチボールもいつもはアップ程度に10分ほどですが、今日は30分以上みっちりやりこみました。数段階の距離レベル設定して親御さんと一定回数のキャッチボールをクリアできれば、次の距離でキャッチボールをしてもらうような感じです。最後をクリアした子供達には、子供同士で遠投でのキャッチボールをしてもらっていましたが、子供たちはそこまでたどり着いた優越感なのか満足感なのか、なぁなぁと遠投キャッチボールをしていて、あっち行ったりこっち行ったり・・・それじゃあ遠投でキャッチボールしても意味がないのです。それに気づいたコーチは、「暴投やエラーしたら一個下でやり直してきなさい」と声をかけると、今度はとたんにガチガチなってに緩いボール投げたり、後ろに下がってゴロみたいなボールを掴んだり・・・やっぱりこの子たちはやはり試合のためでなく練習のための練習をしているんでしょうね、だから試合で急に慌ててトンネルしたり、どこに投げるかわからなかったり・・・日頃から試合同等の緊張感を持たせることは重要で、そのためにある程度プライドが傷つくこともある練習をさせることも必要なんだなぁと感じました。コーチからは妥協したプレーへのダメだし、ミスを恥ずかしいと思うなというハッパなど、どんどん声がかかる中で、徐々に子供達のミスを恐れるピリピリ感から思い切ってプレーを続ければうまくいくというノビノビ感に変わっていきました。暴力や罵声ではなく、大切なことはしっかりと指示をして子供たちを動かすことも必要なんだと改めて実感しました。子供を傷つける発言はあってはなりませんが、強弱って重要なんですね。私たちコーチは4年もやっているつもりですが、まだ4年・・・ということなんだと思います。


 その後は3年生以上と2年生以下に分かれて守備、バッティング練習などを行いましたがそこにもいろいろといつもとちょっと違う要素が含まれているわけですが、ずいぶんと文章が長くなりましたのでこの辺で・・・今日はたくさんのお父さんにも練習に協力いただきました。お父さんたちも今日は結構駆り出されるなぁと思った方も多いのはないでしょうか?実はここも少し私たちが考え方を変えた部分でもあります・・・手伝ってもらえる方にはできるだけ手伝ってもらえるように段取りをしっかりしてお願いできることはお願いしようと、、、大半のお父さんが最後まで一生懸命手伝ってくれました、そんなお父さんたちに子供達もしっかり感謝の挨拶。いろいろなことがやればできる!私たちは何かを決めつけすぎて行動してはいけないのでしょうね。仲間は身の回りにたくさんいて、子供達もまだまだできることがある。私たちは常に勝利や大会で勝つことを求められた常勝チームではありません。親子で野球を楽しみ、試合で勝つことをともに喜べる「常笑チーム」こそNEXUSが目指す姿。時間を積み重ねていく中で成長を忘れず、ブラッシュアップして進化し続けるチームでいたいなぁと改めて思うのでした。


 最後にそんな雰囲気が楽しかった、少しだけ練習で成果が出たからなのか、いつもは練習が終わると野球に興味を示さない自分の子供が、夕方に練習しようと声をかけてきました。そして夕暮れまで小一時間、、と思ったら明日の朝も練習に付き合ってほしいそうです・・・やる気のある子の背中は、親としてできる限り子供の背中を押してあげたい良いなぁと思うのですが、朝起きれるか?その後会社に行けるか?心配です(笑)。お父さんとしてもコーチとしても自分の子供とこうして関われるのもあと半年。悔いのない楽しい親子の思い出にしたいと思います。

0コメント

  • 1000 / 1000