打席に立つ前に勝負は始まっているんだ。

 今日は試合のあった5年生以上はOFF、4年生以下の子供達と一部の有志の5,6年生が参加した練習でした。夏場は暑さや上級生の大会の関係で中々試合設定もできませんでしたが、秋になりそれぞれのカテゴリで試合の予定も組まれています。そんなこともあり、今日は主に試合形式を中心とした練習を行いました。


 まずは全員でウォーミングアップ、その後は最近取り入れている走塁練習も兼ねたダッシュメニュー。今日は駆け抜けや次の塁を狙う走塁、そして盗塁練習とシチュエーションを変えながら塁間を走りぬいてもらいました。盗塁の練習では、NEXUSの悪しき伝統というか、おおらかなチーム雰囲気だからこそそうなるのかわからないのですが、牽制された後に一塁手が投手にボールを返す前にすぐに離塁してアウトになる子が散見されます。これは周辺が声をかけてあげることができないことも原因ですし、本人もボールを確認する意識が極めて低いのです。鬼ごっこのようなものなのですが、アウトにならないことに執着できない子供たちにどうやってそれを植え付けていくか、指導側もいろいろと考えていかなければならないですが、そもそも上級生もそんなアウトを取られることが多い中で、ベースを離れる際の注意力の欠如をどう養っていくか。。。これはこれからしばらく私たちが解決策を講じなくてはならない大きな課題ではあります。


 その後は1,2年生、3年生以上に分かれた練習となりました。1,2年生も来週Tボール形式での試合が予定されていますが、こちらはまだまだボール遊びとしての野球要素が多いため、体の俊敏性や頭と体の連動なども意識して基礎体力の向上をはかりながら、野球に応用していくメニューで楽しみながら野球にも触れていくことを意識させています。そんなメニューの後は来週の試合も意識しながらゲーム形式でTボールの試合感を養っていました。1年生も2年生も体が大きくなるにつれて打球もしっかりしたものになってきています。この後軟球に移行するとその飛距離も一旦落ちることが多いわけで、今のうちにできるだけ遠くに飛ばす感覚を養ってほしいところです。最後は監督とお話ししながら大きな声がワイワイと聞こえていました。大きな声を出すことも大切なこと、野球をやっていく上で大切なことを自然とやることができるようになってほしいです。来週はどんな珍プレー好プレーが見られるか・・・楽しみにしたいと思います。


 一方の3,4年生。こちらは練習前から紅白戦がチーム内周知されていて、子供たちも試合をするつもり満々で練習にやってきていました。コーチはここ半年少し感じていたことに、この学年の子供たちは1,2年生の頃から試合形式の練習をとても楽しみにしていて、紅白試合そのものもしっかり楽しんでくれるのですが、逆にチーム内で練習として紅白戦を行うことの意図を誤解し、個人個人が目先のプレーや目先のポジションにこだわりすぎてしまう傾向がありました。実は紅白戦は、その先にある試合のための予行演習でしかありません。誰かがヒットを打ったとかエラーしたとか、はたまたどっちが勝ったとか・・・そういうことが大事なのではないのです。バット引き、ボールボーイ、コーチャーからはじまり、自分が打席に立つ前の準備、守備での声掛けや適切なポジション、そういう練習では中々頭に入りづらい部分を子の紅白戦でシミュレーションしてほしいわけです。また、実際の試合になってから緊張したり慌てたりしないように、打席や守備で体が動かせる準備をしておくということも大切なことなのです。そういうこともあり、今日は試合前にコーチからこの紅白戦は何のためにやるのか?そして試合に臨むうえで子供たちに求めるものをきちんと伝えます。今日のテーマは「積極性」、打者はファーストストライクを振ること、守備ではボール向かってチャレンジすることこの2つができたかどうかでそれぞれが自分を評価してほしいと伝えました。試合では時としてファーストストライクに手がでなかったこともありましたが、それを悔やみながらも次のストライクはしっかり振りに行っていたことが印象的でしたし、守備もぎりぎりのところで思い切ってグローブを差し出して捕球している良いプレーも見られました。よく監督がいうことですが、失敗が怖い、負けるのが怖いという考えは誤りであって、うまいプレーをしたい、勝ちたいという前向きな心理状況を持つことがとても大切なこと、これはこの後もしばらくチームの目標として声をかけていきたいなと感じる取り組みでした。


 3イニング後には一回両チームとも最初の課題にどうやって取り組めたか個々に振り返りを求めながら、コーチから一つ一つ助言をしていきます。子供たちはやろうと思っていてもできない部分、意外とできた部分、良いことも悪いこともあるわけで、そこを個人がどれだけ認識しているか、大概は言葉にできる子はしっかりその先に変化を見せてくれますし、逆にそこがしっかり話すことができない子は、やっぱりその次も曖昧になってしまいがち・・・ここの部分も子供次第とは言いながらも、口にする重要性を大事にしていきたいところです。


 その次に試合に向けて、コーチから付け加えた助言は、試合というのは打席に立って初めてピッチャーと相対するようでは、バッターとして負けのようなもの・・・投球練習の時から1,2,3と数えながらタイミングを計っておく、実際に打席に立ってそのタイミングで振ってみて早いのか遅いのかを分析する(遠くで見たイメージと実際に目の前でボールを見たイメージを一致させる)、それを調整して初めてタイミングが合うわけです。打席で1からやったら間に合わないということです・・・1試合目はピッチャーの速球に振り遅れが目立った子供達ですが、2試合目は良いリズムで芯でとらえる打球も見られました。この学年の子供たちはベンチにいると、休憩(友達おしゃべり、じゃれあい)モードに入りがち・・・試合がはじまったら試合に入り込んでいくこともこれから教え込んでいかなければならないなぁと改めて感じました。


 試合の中では、春から夏にかけて個々に努力している子、暑さもあるのでしょうが練習量が不足している子、少し成長に差がみられる結果となりました。この部分は個人にフィードバックしながら、それぞれが自分の成長を目指して頑張っていくことを働きかけていきますが、特に今日成果が見えた子は、自信をもって次の試合に臨んでほしいと思います。逆にうまく行かなかった子は、この1週間でも努力次第で変わることができます、どんな変化を見せてくれるかは君次第・・・たくさんのスターが生まれることを楽しみにしています。

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