みんなが暴走大臣になっちゃおう

 今日は冬を感じさせる肌寒い気候の中での練習でした。やはり気温が10度を切ると私たち指導者が気を遣うのは、しっかり子供の体を温めさせること。やはり体にエンジンがかからないうちに野球的な動きをさせるのは、子供たちの体(もちろん大人もですが)には望ましくありません。ですので、こういう天気の日には子供たちには、まずしっかりと動く体になるまでアップを入念に行います。今日は準備体操の後、足を動かしてからのダッシュトレーニング(罰ゲーム腕立て5回付)、ベースランニングリレー2回などを行って子供たちの息が上がるまでしっかりと体を温めてから練習に入りました。


 今日も3年生以上と2年生以下に分かれての練習。上級生は前回に引き続き守備の基本を再度復習して繰り返し練習をし、その後はバッティング、シート形式と(もう少し野球シーズンも残っていますので)実践的な練習を行っていました。年内まではそんな実践的な部分も取り入れながら来年に向けた準備と最後の試合を控えた6年生の調整に充てていくことになります。課題はそれぞれにありますので、個々が自分と向き合って上達を目指してほしいところですね。


 筆者は今日は久しぶりに1、2年生の下級生を担当しました。下級生の子供達にもこの時期には繰り返し基本的な要素を教えながら、できてきた部分については少しずつ上達要素を加えながら技術レベルを上げていくことを意識しています。

 今日はグランドの壁あてスペースを利用して、キャッチボールの代わりに壁あてをしながら投げ方の基本練習を行いました。小さい子供たちは腕で投げることに意識が強く、体重移動がしっかりできないことが多いです。この後軟球に変わった際にはさらにその意識が強くなって手で投げてしまうことになってしまい肩肘にも影響が出てしまうため、この時期にしっかり軸足から踏み出した足に体重を移動してボールを捕まえて投げる感覚をしっかり持ってほしいと思っています。今日は(友達や親御さん相手ではなく)壁が相手ですからみんなでそろって練習してもらいました。子供たちの元気な掛け声で1,2,3と体重を右左に動かしながらしっかりボールを投げる姿は可愛いさと逞しさが共存した光景でした。この動きはとても大事です、1度の練習で覚えたことを忘れずにこの先に活かしてもらいたいですね。

 そのあとは打撃練習。バッティングは今の1,2年生はみな自信をもってバットを振ってくれていますのであまり口出しせずにそれぞれの練習を見守ります。嬉しいことに私が手出ししなくても、お父さんたちが随所に練習の補助や子供たちに声をかけてくれます。とても良い景色です。練習メニューはコーチが主体的に組み立てますが、お父さんたちには積極的に声をかけて子供たちの背中を押してあげてほしいです。それこそが子供たちにとって大きな力になります。ぜひ自分の子供だけでなく同世代の子供たちの成長も一緒に見守っていきましょう。とはいえ、バッティング練習もただ振っているだけでは面白くありませんので、練習の合間にコーチから1つのエッセンスメニューを追加してみます。前述のとおりそれぞれの打つ形ができている今の1,2年生は、この後の軟球のボールを打てるようにもう一段パワーを増してもらいたいところです。そこで下半身を固定して上半身の回転でボールを運ぶトレーニングを行いました。3回連続で素早くバットを振ってボールを打つというちょっとこの学年の子の体格では厳しいメニューに子供たちは戸惑いながらも少しずつコツをつかんで一生懸命バットを振ってくれていました。バットを惰性で振るのではなく、メリハリをつけてインパクトを強く振ることができれば軟球でも負けないインパクトはできるはずですので、この後少しずつ意識を強くさせていきたいところです。


 最初にも書きましたが、今日はちょっと寒い気候。そして低学年の子供たちの集中力は1時間から2時間が限界です。そこでちょっと息抜きにドッジボール。野球の練習として集まっている子供たちですが、この年次にはまだまだ遊ぶ気持ちもしっかり持ってほしいです。どの子もドッジボールも楽しそうにボールを追いかけているのが印象的でした。こうやって野球チームの仲間で遊べること、そういう仲間がチームに居ることは素晴らしいことなのです。こうやって仲間で一緒に遊べる環境も引き続き大事にしていきたいですね。


 最後の1時間は試合形式。毎週試合形式をやっていることもあり、上達が著しい今の1,2年生。打撃もものすごい当たりが連発するのですが、守備での声掛け、中継プレーなどこの段階としてはかなりレベルが高い内容でゲームを進めてくれます。走塁もドンドンレベルが上がっているのですが、野球を知れば知るほど次の塁に進む楽しさが増すのか、上手くなっていくとどんどん相手のミスを期待して次の塁に向かおうとする暴走大臣たちが多くなります。そういった暴走は将来的な野球に良いものい感じられない(相手をリスペクトしてるとは思えない)こともあり、コーチがなだめてそういうプレーをさせないことがこれまでは多かったわけなのですが・・・今日は少し俯瞰して試合の様子をみていましたが、暴走気味の子がいてもそういう子がいることを守備側に意識させておくと守備側の子供が先の塁に進めないようにボールを速やかにサードやホームに返すことができるではありませんか。ここで私は少し我に返りました。実は3,4年生になると他のチームの盗塁やミスに乗じた走塁を痛いほど目にすることになるわけですが、そういう野球を仕掛けられることがこの後増えてきたとしても、このような暴走させるような環境に今子供たちを慣らしておけば、それを防ぐやり方を今のうちに体に身に着けておくことができるのではないか、、、そして暴走気味に走る子もどこまでが好走塁でどこまでが暴走かを早いうちに理解できるのではないか・・・そんなことを我に返って思いました。そこでコーチは、「よし、みんな、今日は暴走大臣になっていいから、どんどん次の塁に進んでみよう。守備の子はみんなどんどん次の塁に狙うからそれを防げるように送球しよう!」するとみんながどんどん中継プレーを成立させ、そして走者がアウトになることもしばしば・・・そうなると今度は走者が次の塁を見ながらもしっかりベースにとどまることができたり・・・うん、みんな暴走大臣になってかき回すという野球のやり方もこの学年だったらありなのかもしれないなぁと思いました。フェアプレーの精神を大事にさせようと、子供の自由を大人が制約してきた弊害なのかもしれません。こうやって自由を認めることも大事になことなんだなぁと改めて感じた練習でした。


 きづけば3時間を経過。寒さでどれほど練習できるのか心配していましたが、下級生も上級生もしっかり練習をすることができ、良い一日となりました。今年もあと1ヶ月。寒さとも戦いながらみんなで楽しく活動していきたいですね。

0コメント

  • 1000 / 1000