今は「質」より「量」

 寒い日が続いていますが、太陽ものぞく冬晴れの中、全学年揃っての練習となりました。これまでNEXUSでは冬は3時間の練習時間であれば2時間はボールを使わない基礎体力トレーニングに時間を割いてきましたが、「野球」というスポーツで考えた場合、春の野球シーズンまでの成長過程において少し遅れを取る傾向になることがわかりつつあります。そこで、今年の冬の練習は、従来は練習時間の半分から2/3を使っていた基礎トレーニングを1/3程度まで縮小し、その分野球技術の基礎トレーニングを導入することで体力と野球の技術力を磨く時間を取ることにしました。成果はどう出るかわかりませんが、、、常にいろいろなことを考えて前例を良しとせずに改善を図るそんなチームでありたいと思っています。


 そういうわけで通常のウォームアップの後、リズム体操、トランポリン、ラダー、ハードル、バランスボールを使って体力向上や柔軟性を図るトレーニングを1時間ほどやってもらい、そのあとは、野球の基礎技術メニュー。様々な投球メソッドを試しながらのキャッチボール、最後に大人にキャッチャーをお願いして全員でピッチング練習。まずはボールを捕ること、投げることの基本技術を少し時間をかけて取り組みます。NEXUSの子供たちはピッチャー志望の子がすごく多く、皆が投手にあこがれていますから、誰でもピッチャーがやれるように全員にピッチング練習をやってもらい全員がピッチャーになることを目指します。コーチからピッチャ練習の際に与えたテーマは一つ。しっかりボールをセットして止めてからボールを投げること。投手をやってもらった際に子供たちができないことの一つが投球動作の前にキチンと動きを止めることができないこと。特に小さいうちにそういうことがしっかり身についてくれればと思い取り入れた指導になります。

中には年末からグッとフォームと球威が増している子もおり、この先が楽しみです。


そのあとは、1年生以下と軟球を使う2年生以上に分かれて練習です。1年生はまだまだ楽しく野球をやってもらいたいので全体とは別メニューでバッティングや守備など手を変え品を変えながらボールに慣れて遊んでもらいました。

 一方の2年生以上はとにかくボールを捕る、フライを捕るがテーマですので、内野守備位置でゴロを捕る練習を集中してやります。ゴロを捕るのは様々なコツがありますが、そのコツは人それぞれ。もちろん理論的に説明して習得させる方法もありますが、それは頭で追いつくのに時間がかかる子が多いことから、子供に体で覚えてもらえるように、動きを説明するのではなくどんどんボールを受けてもらう取り組みを進めています。スローイングはあまりせずに、どんどんノッカーがボールを打って子供がボールを受ける流れでノックを受ける本数を増やすわけです。子供は回転の早い流れに少々戸惑い気味ですが、頭で考える前にボールが来るわけで子供も少しずつ自然に球際に強くなっていってくれています。そういう意味では成果があって子供にも達成感が生まれると良いのですが、実際のところ子供たちにとってはそうではない部分もあります。30分くらい目先を変えながらトレーニングを続けたあとは、今度は外野希望の子供と内野希望の子供に分けてフライとゴロの練習を再度15分から20分ほど。休憩を入れるたびに子供たちが次はバッティング?と聞いてきますが、そういう聞き方をしてくるということは子供たちにとって守備練習は徐々に飽きてきているということ。野球の練習をしているならばバッティングしたいなぁと思っているわけで、楽しく野球をするならバッティングをやっている時間が長い方が良いことは私たちもわかっています。でも前述のとおり、私たち指導者は体力メニューを削減してこの基礎技術習熟トレーニングを取り入れているわけで、そこは少し子供に我慢してもらってでも、基礎技術向上につながる守備練習をトレーニングとして受け入れてもらえるように説明をしていますが、どれほどわかってくれたかな・・・・春になって野球を試合をやるために、守備でしっかりアウトを取れることが何より今は大事なのです。これは数年経験してきた私たちの一定の結論、楽しさと少し乖離する部分もありますが、別に厳しさがあるわけではなく単調な部分をどう解消させるかはこれから考えていくとしても、もう少しこの練習を続けて守備の基本は冬のうちに身に着けてしまおう。

 基礎技術練習の後は、みんなでお楽しみのバッティング練習。マシンを使って打ってもらいましたが、楽しみにしている割には1週間に練習以外はバットを握らない子供たち。鈍い振りでは中々ボールに当たらないです。こちらは春から少しずつ上げていく次の課題にしています。コーチからは「毎日バットを振るのは大変だろうから1週間に何回とか決めて、少しずつバットも振ってみよう」と宿題を投げかけてみましたが、どれだけの子供に響いたことか・・・打撃の悩みもそれはそれであるのですが、まずは最初の課題守備の克服に向けて子供達と一緒に頑張っていきたいと思います。

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