つらい壁を共に乗り越えよう!

 今日は、全学年揃っての練習でした。かつてのNEXUSには広大過ぎるグランドだった荏田西グランドも、40人規模のメンバーがいるNEXUSでは少し手狭に感じることもあるくらいです・・・発足以来ほぼ皆勤の監督がここ2回連続で所用で欠席の中、コーチや保護者の手で練習を進めるわけですが、改めて思うのは、監督の考えるアップメニューの豊富なこと・・・1年生から6年生まで共通して同じメニューでたのしくアップさせるノウハウは、既に発足して5年の間一緒に指導している私たちコーチもマネできないものばかりです。準備運動やウォーミングアップのダッシュメニューも飽きないようにただのトレーニングにならないように工夫するものの、ほとんどが自分が以前トレーニングしたようなメニューばかり・・・こういうことをもう少しブラッシュアップしないといけないと思いつつ、日頃頼り続けている自分を反省したりもします・・・とはいえ、いわゆるうさぎ跳び階段トレーニングなどのスパルタトレーニングで育ったコーチのトレーニングは体力だけはしっかりつけさせるメニュー、いろいろ走った後に最後はベースランニングリレーでもうひと頑張りしてもらって息も絶え絶えになったところからキャッチボールを開始します。(今日は寒かったので、しっかり体を温めてるという意味でもしっかり走ってもらいました)


 キャッチボールは、2年生以上は軟球を用いて体の動きをしっかり整えながらの投球を繰り返していました、一方の1年生は捕り方投げ方の基本的な形を覚えるべく、大きなボールを使ったり、ゴロやフライなどまずはグローブの扱い方、体を大きく使った投げ方を学んでもらう練習を繰り返しました。その後は、高学年、中学年、低学年に分かれてノック。高学年は先日の反省を活かしてトスやワンバウンドスローなど送球の練習に力を入れて練習していますし、中学年はフライの落下点に入る練習やゴロを捕る基本技術を繰り返し学んでいました、低学年の子たちはグローブの向きやゴロ、フライの取り方を繰り返して練習し、最後は少しバッティング練習も行いました。こういうことも少しずつ指導できる人及びそこに協力してくれるお父さんが増えているからこそ・・・毎回指導にテーマを持たせながら、子供達を着実に成長に導ける環境が整いつつあることを感じさせる光景でした。


 最後は、週末初試合を控えた4,5年生のフォーメーション練習。1~3年生には置きTで打ってもらい、打者兼ランナーになってもらいます。試合前にも関わらず思ったメンバーが揃わないのもNEXUSらしいですが、それはおいておいて、先週の反省をどこまで子供たちが活かせるか、次の動きを声に出して体を動かすことができるか・・・なのですが、ノックでは上手にさばけていた子供達ですが、ひとたびランナーがいる状況になると頭と体がついていきません。「1アウトランナー1,2塁 近いベースね」と言っても、守備はそれに生返事するばかりで、捕ってからどこ投げるんだっけ?なんてことばかり・・・簡単に言うとその状況で自分がどうするかをかみ砕いて考えていないということです。ベースカバーも自分は関係ないとばかりにフィールドにたたずんで見ている子も・・・私たちの掛け声もどうしても少し強い調子になってしまいます・・・思えば毎年同じ光景になるのですが、NEXUSで野球をやっていると楽しいというベースの中で打つ、投げる、捕るという一つ一つの技術を学んでもらっているわけですが、上級生になって試合を意識した際にそのゲームにおけるそれぞれの動きに関する知識はほぼゼロなわけで、何百通り以上もあるシチュエーション9人が9つの動きをすることは簡単ではありません。特に今の子供たちは言われことを言われた通りに動くことに慣れた子供たち、NEXUSのように自由な環境でもそこに遊び感覚を入れた野球ができる子は、普段から野球中継を見て学んでいるような子だけでごく少数です。昨年も同じでした、この時期のこの練習は私たち指導者にとっても、はたまた子供たちにとっても「ツライ」練習なのです。ただ、ここだけは、「楽しい」野球がモットーのNEXUSでも避けて通れない部分ではないかと考えています。それは、子供たちの野球の継続性を考えたときに、最低限その知識と動きを覚えなければ、次のフィールド(中学野球チーム)で野球をする際に他の子供に大きく引けを取ってしまうからです。私たちは、このチームの中だけで楽しい野球をさせることだけが目的ではありません。もちろんそういう子がいて、次は野球をやらないで他のことをやることももちろん否定はしませんし、むしろそれはそれで歓迎です。ただ本質的には野球の裾野を広げること、可能性のある子に野球を続けてもらいながら将来大きくなる目をつぶさないようにすることが狙いなわけで、そういうことを考えた場合、野球というゲームの中で状況に応じて自分の判断で動けることになることは必ず必要になるのです。ですので、慣れるまでの数か月の間は少し子供の目がどんよりするようなこの練習を多く取り入れざるを得ないわけです・・・でも試合をしていくうちにこの大切さはきっと子供にもわかってもらえると思います。チームが勝つ、負けるではなく、子供たちにきっちりと野球ができる礎を作るために、ここは私たちも子供とともに心を痛めながら頑張るしかないというところです。


 中々うまく行かないプレーの練習が1時間ほど続いた後で、いったん子供達をフィールドからベンチに引き上げさせ、コーチが改めて声をかけます。僕たちは、君たちに決して難しいことを強要しているつもりはない。それぞれがその状況において、次の1プレーを想定しその動きだけはしっかりやり切れれば、アウトを積み重ねることができる。野球は1イニングに3つのアウトを取りながら点を許さないスポーツ。許したとしても最少失点で抑えれば、打って逆転することができる。そのために、取るべきアウトをしっかり取れるようになることが大切。次のワンプレーを自分がどういうプレーをすべきかよく考えてフィールドに立ってほしい。それ以上に複雑なプレーまで上手くやれとは言わないので・・・少し子供にも通じてきている気はします・・・でも子供は子供ですることがありすぎて、どうしていいのか混乱してしまう・・・というコメントはまさに子供の置かれている現在の立ち位置なのだと思います。こういうことを始めたばかり、少しずつ繰り返しながら頑張って慣れていこう!この壁を越えれば、君たちはもっと野球を楽しめるはず!私たちの気持ちもわかってもらっていると思います。一緒に頑張ろう!


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